食を支える人に聞く|管理栄養士インタビュー

「退院したら、毎日の食事はどうしたらいいんだろう」

食べる量が減ってきたときや、飲み込みやすい食事が必要になったとき、ご本人だけでなく、ご家族も食事について悩むことがあります。

そんなとき、食事や栄養の面から支えてくれるのが管理栄養士です。

今回は、病院で働く管理栄養士に、患者さんの「食べる楽しみ」と栄養をどう支えているのか、退院後も無理なく食事を続けるために大切にしていることについて伺いました。

幼いころから食べることや、料理、お菓子作りが好きで、食に携わる仕事に就きたいと思っていました。

管理栄養士という職業を意識したのは、高校生のときに2週間ほど入院したことがきっかけです。絶食する期間もあり、その後に食べた重湯がとても美味しく感じられました。そのとき管理栄養士の方とお話しする機会もあり、この仕事を目指すようになりました。

病院の管理栄養士になる前は、病院や特別養護老人ホームの給食を作る会社に勤めていました。特別養護老人ホームでは、初めて嚥下食を作る経験をしました。

当時は約半数の方が刻み食やペースト食を召し上がっていて、最初はかなり衝撃を受けました。しかし、入居者の方と接する中で、刻み食やペースト食であっても、味や見た目を工夫して「美味しい」と感じてもらえる食事にすることが大切だと感じるようになりました。

この経験は現在、嚥下調整食が必要な患者さんやご家族への指導にも活かされていると思います。

必要な栄養量を管理することはもちろんですが、ただ栄養を補給すればいいというわけではないと思っています。

食事は生活の中での楽しみでもあります。そのため、栄養管理を考えるうえでも、食事の美味しさや患者さんの好みを考えることはとても重要です。

病院で勤務していると、「病院食が口に合わない」という理由で食事量が少なくなっている患者さんもいらっしゃいます。

患者さんの好みを細かく聞き取り、その方に合った食事を提供することで食べられる量を増やし、栄養状態の改善につなげていく。それも管理栄養士の大切な役割だと感じています。

食事は、生きていくうえで欠かすことのできない生活の一部です。だからこそ、ご家族が頑張りすぎてしまうと、続かなくなってしまうこともあると考えています。

もちろん患者さんのために頑張らなければならないこともありますが、退院後は毎日の生活として継続していくことが大切です。

ご家族が無理なく続けられる形を一緒に探していくことも、管理栄養士の役割だと思っています。それぞれのご家庭の状況を考えながら、無理のない範囲でできる食事内容を提案することを心がけています。

現在、当院では管理栄養士が病棟に常駐していないため、昼食時などに患者さんの食事の様子を見て回っています。

その中で、ごくまれではありますが、食事量が低下していても管理栄養士への相談につながっておらず、すぐには気づけないことがあります。

管理栄養士が病棟にいることで、患者さんの食事量や様子の変化をより早く捉え、必要な対応につなげられるのではないかと思っています。

また現在は、ご家族と直接お話しする機会もそれほど多くありません。今後は看護師やリハビリスタッフとも協力しながら、嚥下食を食べている患者さんが自宅へ戻る際には、管理栄養士からも必要な情報をお伝えしていきたいです。

可能であれば、嚥下食の調理実習なども取り入れながら、退院後の生活につながる支援をしていけたらと考えています。

食事は毎日のことだからこそ、無理をしすぎず、続けていけることが一番重要ではないかと思います。

近年では嚥下食も進歩し、手軽に利用できるものもたくさんあります。すべてを家庭で作ろうとせず、そうしたものも取り入れながら、無理なく続けられる方法を見つけていってほしいと思います。

食事や栄養について困ったときには、管理栄養士も力になることができます。

嚥下食が必要な方が自宅へ戻られるときには、看護師やリハビリスタッフとも協力しながら、「家ではどうしたらいいのか」というところまで、ご本人やご家族と一緒に考えていけるような支援をしていきたいと思っています。

\ 最新情報をチェック /

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です